スプライススリーブ物語

スプライススリーブ物語

悲劇の阪神大震災ー
NMBスプライススリーブは、建物を
そして市民を守りきった。

1995年1月17日。
誰もが予測することのなかった阪神大震災が、神戸・大阪の町を襲った。倒壊するビル、倒れた高速道路、悲惨な光景が全国民を震撼させた。

「私たちは継手を提供している責任がある。一刻も早く神戸、大阪で採用された全箇所を調査しよう。」トップ自ら、社員とともに、震災直後の大阪へ向かった。

日本スプライススリーブの継手は耐震性が高いということが特徴の一つであった。関西では明石と特に被害の大きかった淡路を結ぶ明石海峡大橋をはじめ、約65,000箇所に採用されていた。それをこの目で確かめたかった。

気の遠くなる確認作業が始まった。大学の研究室とともに約1ヶ月をかけ、全データを収集した。確認にあたったメンバーは皆驚いた。なんと採用されたすべての箇所について、全く継手の損傷は見られず、建物も、住民も無事だった。皆は確信した。我が社のスプライススリーブを広めることが、建物を、そして人の命をも救うことになることを。

あれから時は流れ、高層ビルは建設ラッシュを迎えている。今こそ、あの震災の教訓を活かし、この「継手」をもっと広めることで、安全な都市づくりの一端を担わなければならない。採用が決まった汐留の超高層マンションを見ながら、社員一同、心に誓った。

震災で倒壊したマンション(’95.2.11撮影)

震源地付近でスプライススリーブを採用したマンション(‘95.2.17撮影)

NMBスプライススリーブの歴史

NMBスプライススリーブシステムは、1973年に日本で初めて「モルタル充てん式継手」として一般認定を取得して約40年、モルタル充填式鉄筋継手のパイオニアとして、国内はもとよりアメリカ、シンガポール、ニュージーランド等グローバルに活躍の場を広げ、建築、土木それぞれの分野で数々の著名工事に採用され、実績を重ねて参りました。

スプライススリーブは、プレキャストコンクリート建設業界に最適で、耐震性と耐疲労性に優れており、特別な資格を持った人が接続する必要はありません。地震の多い日本国内でのプレキャストコンクリート工法の開発に多大な貢献をしたことを誇りに思います。

その後、NMBスプライススリーブシステムは、4つの強い地震(Mw 6.9、7.0、7.8、9.0)に耐え、構造的な損傷はなく、結果として多くの人命を救いました。

甚大な被害が発生したグアム大地震(1993年)と阪神淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)を経て、スプライススリーブを利用している企業を調査し、構造的な被害がないことを確認しました。

今後も国内外の大学との共同研究と、世界中でのNMBアプリケーションの拡大をさらに推進し、高性能で質が高く、トータルコストの削減をおこなえるサービスの提供に注力していきます。

私たちは、これからもNMBスプライススリーブシステムによる構造物、人命、財産の保護で社会に貢献してまいります。